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特別連載 明治神宮 御復興五十年  
戦後復興の軌跡 第三回 地域再生の歩みとともに
インタビュー 私の戦後と明治神宮 山本 一力(作家)
 高知から上京して、渋谷区富ヶ谷の新聞専売所で住み込み配達員を始めたのは、中学三年の春だそうですね。

(前略)
 新聞を配っていたエリアというのが、大山町と西原全体、それからワシントンハイツ。専売所からちょっと歩いていったらフェンスがあって、今の代々木公園から岸体育館の辺りまでが丸ごとハイツだった。渋谷のど真ん中にアメリカがあったんだから。もう完全な街でね、教会も映画館もあった。日本人はあまり車なんて持ってなかった時に、この中を走っていたのはパステルカラーのアメ車だったんだよ。親しくなったロバートさん一家に招かれて家に入ったら、とんかくテレビがでかい。あれには圧倒された。
 ロバートさんには、ビルとゲリーとメリージョーの三人の子供がいて、一緒に遊びたいからもう必死で、走って新聞を配り終えました。英語を教わったのも彼らから。なかに何度言われてもわからない単語が二つあった。一つは「ピザ」。ピッツァ、ピッツァって言って説明してくれるんだけれども、食べたことがないからイメージが湧かない。彼らから教わって食べて、ああ、うまいもんだなというのがわかった。もう一つは、「キディランド」。日曜の午後、遊びに行ったら、今からそこに行こうという。一緒にハイツを横切って、反対側におゲートを出たら、ちょうどそこだったんだね。日本のおもちゃ屋さんとはまったく違っていた。俺は今でも覚えてるんだけど、彼らは軍票で買い物をしていた。あの時代はよっぽどアメリカの国力が強かったんでしょうね。
後略)


※インタビュー抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、崇敬会にご入会下さい
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やまもと いちりき
昭和23年、高知県生まれ。都立世田谷工業高等学校電子科卒業。旅行代理店・広告制作会社勤務などを経て、平成9年『蒼龍』でオール読物新人賞、平成14年『あかね空』で直木賞を受賞。著書に『ワシントンハイツの旋風』・『だいこん』・『たすけ鍼』などがある。



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