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聖蹟を歩く
第5回 明治九年奥州・函館巡幸(下)

打越 孝明

 明治九年(一八七六)六月三十日、前日に松島・塩釜から仙台に還幸した天皇は奥州街道を北上して行かれました。
七月三日、金成宿の小学校で、ある老婦人によって奉迎の短歌が献上されました。

  老の身の限り知れぬ嬉さは
  きょうの御幸に逢にぞ有ける


 天皇行幸という稀有の出来事に遭遇した人々が等しく抱いた感慨です。
次の小休地となった有壁宿の本陣の建物は、現在国指定の史跡であるとともに宮城県指定の重要文化財です。本陣上段の間が明治天皇の御座所に充てられ、今も大切に保存されています。
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うちこし たかあき
昭和35年、茨城県水戸市生まれ。早大大学院に学び、同大学助手や大倉精神文化研究所専任研究員などを経て、現在明治神宮国際神道文化研究所主任研究員および早大非常勤講師を務める。共編著に『日本主義的学生思想運動資料集成T・U』や『大倉邦彦の『感想』―魂を刻んだ随想録―』、論文に「明治天皇崩御と御製 上・下」(『復刊明治聖徳記念学会紀要』25・26)などがある。

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