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聖蹟を歩く
第7回 明治十一年北陸・東海道巡幸

打越 孝明(明治神宮国際神道文化研究所主任研究員)

 九月六日は、中山道の難所である碓井峠越えの日です。幸いにも前日までの雨は止んで青空が広がり、左に妙義山がくっきりと望めます。難路で知られた峠道には、巡幸に際して新道が開かれましたが、それでも、急な登り道は巡幸の一行を苦しめました。馬車や騎馬はもちろん、輿(こし)に揺られての登攀(とうはん)すらままならず、天皇は玉歩をみずから山道に刻まれます。好天気に恵まれたこの日、青年君主は健脚ぶりを発揮されました。供奉員の多くは付き従うことができずに苦しみました。溌剌(はつらつ)とした若々しい天皇のお姿が印象的です。
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うちこし たかあき
昭和35年、茨城県水戸市生まれ。早大大学院に学び、同大学助手や大倉精神文化研究所専任研究員などを経て、現在明治神 宮国際神道文化研究所主任研究員および早大非常勤講師を務める。共編著に『日本主義的学生思想運動資料集成T・U』や『大倉邦彦の『感想』―魂を刻んだ随 想録―』、論文に「明治天皇崩御と御製 上・下」(『復刊明治聖徳記念学会紀要』25・26)などがある。

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