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明治神宮関係
なぜ、明治神宮には狛犬がないのですか?
 素朴な質問ですが意外とわかりにくい問題です。
 Answer
 実は明治神宮には狛犬は置いてあるのです。「え! どこに?」と、みなさんお探しになっても見つけることは出来ません。
 なぜかというと狛犬が置いてあるところはご社殿の中の内陣(ないじん)
※1という場所にあるからです。ではなぜ参道においてないのか、疑問に思う人もいるでしょう。

 先ず最初に狛犬の歴史からお話ししていきたいと思います。狛犬の起源は古代オリエント・インドに遡(さかのぼ)ります。狛犬はライオン(獅子)を象った像ですが、それがはるばるシルクロードを通って日本まで伝わってきました。古代オリエント諸国では聖なるもの、神や王位の守護獣として百獣の王ライオンを用いる流行がありました。そのいちばんいい例がエジプトピラミッドのスフィンクスです。それが一方では西欧に流れていってヨーロッパ諸国の王位の象徴である獅子像になりました。西欧の王室のマークや建物の飾りを見ると、ライオンのデザイン化されたものが多いでしょう。あれも狛犬の遠縁なのです。


 ところで獅子像が中国から日本に伝わった当初、日本人はその異様な形の生き物を犬と勘違いし、また朝鮮から伝来したことから「高麗(こま)犬(いぬ)」と呼ばれるようになったそうです。ちなみに本物の生きたライオンが初めて日本に渡来したのは慶応2年(1866)正月の事でした。

 狛犬は伝来当初、宮中の清涼殿(せいりょうでん)
※2の中で鎮子(ちんす)または魔除けの意味で置かれました。それが平安時代から鎌倉時代になると神社や寺院の建物の中にも置かれるようになりますが、参道に狛犬が置かれるようになるのは意外にも江戸時代からで、それほど古い時代ではないのです。ですから古い歴史のある神社、たとえば伊勢神宮などには狛犬の入ってくる前からの古い形をそのまま伝えているお宮ですから狛犬が見られないのです。

 では明治神宮はなぜ外に置いてないのか、はっきりとそのことについて記された書物がありませんので想像で申しますが、明治神宮の社殿建築は流造(ながれづくり)
の様式です。流造は平安時代に発展した神社建築で最もポピュラーな形で全国にありますが、この社殿様式と全体の景観を考慮して参道またはご社殿前には狛犬はふさわしくないと判断されたのでしょう。よって狛犬は平安時代のようにご社殿の中にあるのです。

 ちなみに神社に置いてある狛犬は神前に向かって右側で口を開けてるのを「獅子(しし)」(阿・あ・攻)と呼び、左側の一角で口を結んでるのを「狛犬(こまいぬ)」(吽・うん・護)と区別していますので覚えておきましょう。
※1内陣(ないじん) 神社の本殿の中で最も奥にあり、御神体あるいは御霊代(みたましろ)を奉安する場所。
※2清涼殿
(せいりょうでん)
平安京内裏(だいり)殿舎の一。天皇の常の居所で儀式・公事を行った。
※3鎮子(ちんす) 室内の敷物・帷帳(いちょう)などがあおられぬためまたはふき散らされぬために、おさえるおもし。
流造
(ながれづくり)
平安前期より起こった神社建築の一。神明造の屋根に反りを付し、その前流れを長くしたもの。京都の下鴨神社が典型。
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