メニュー
明治神宮ロゴ
メニュー
寄稿「私と武道」

 未だ大学受験の浪人中であった昭和49年の7月、予備校の掲示板に至誠館開設の案内があり、それまで弓など実際に見たこともなかったのだが、「的に当るとは縁起がいい」くらいの軽い気持ちで入門した。

 当時は至誠館が開設されて一年も経っていない時であり、門人は殆どが初心者であったが、初代師範であられた土屋吉太郎先生のご指導のもと、各自一生懸命かつ真剣に錬成に取組んでいた。土屋師範のご指導はまさに厳格そのもので、錬成中は先生のお声のみ道場に響き、私語を発するものは誰一人いなかった。

 また、折に触れては先生を囲んで愉しくお話を伺う機会もあった。神宮様の御神域で先生と門人が、弓に取組む真摯な雰囲気に心を打たれる日々を重ねるにつれて、入門時に自分が考えていた弓に対する甘さなどいつの間にか消え失せ、この至誠館で本気で弓を学ぼうと思うようになった。そして、大学入学後も部活動には加わらず、土屋師範の叱咤激励や友人達との交流を支えとして、至誠館で弓を学ぶことを中心にした悔いのない学生生活を送った。

 社会に出て26年の月日が流れ、その間、仕事の関係等で弓ができなかったこともあるが、現在は何とか仕事と弓を両立させ得ている。錬成ができなかった時も、常に心のどこかに至誠館で弓を学ぶことを忘れていなかった。「何故か」と聞かれれば、学生時代に出会った「良き師、良き友」との思い出の場所であったからである。現在も新たな「良き師、良き友」と共に弓に取組むことにより、人としての道を学ぶことができる場であることを確信している。 

 このような素晴らしい稽古の場を与えて下さる御祭神の限りなき御神徳を拝し奉り、御礼と感謝の誠を捧げると共に、先生方や多くの友人への感謝をこめて――

「うつし世は大御心と心得ば一期一会の幸ぞ嬉しき」


いしい・やすお=昭和29年生まれ。昭和49年(至誠館開設の翌年)、弓道科に入門した。師の教えを守り、弓を通して道を求め30年余。現在5段。会社員。

-寄稿「私と武道」トップに戻る-

 

サイトマップ お問い合わせ Q&A 明治神宮外苑 明治神宮の結婚式 刊行物の御案内 崇敬会について 武道場 至誠館 国際神道文化研究所 宝物殿 明治神宮へのアクセス 明治神宮の自然、みどころ ご参拝されるかたへ 祭典と行事 明治神宮とは トップページへ 最新情報 至誠館の歩み 図書紹介 入門案内・施設概要・地図 コラム「大和心」 武道とはなにか 寄稿「私と武道」 海外要人の来訪 各課の鍛錬時間 年間行事とお知らせ 国際交流 至誠会(門人の会)便り