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コラム「大和心」

艱難辛苦を乗り越えて

 3月11日、我が国は未曾有の災害に直面した。マグニチュード9というすさまじい自然の力のまえに、多くの人々の命が飲み込まれていった。さらに、追い討ちをかけるように、福島第1原子力発電所災害が発生し、日本は、今後極めて長期間にわたる試練の時期を迎えることとなった。

 この歴史的災害に際し、直接被害を受けた方たちはもとより、全ての日本人が、直面している国難にいかに立ち向かうかが問われている。

 不幸中の幸いとも言うべきか、政治の混乱によってまとまりのなかった日本人の心が、一致団結の様相を帯び、国民レベルにおいては家族的同胞としての一体感が回復してきたように思われる。また、災害発生直後から、被災した現地はもとより、国中で日本人の善良なる行為が沸き起こり、あらためて、日本民族が歴史的に築きあげた道徳的社会規範の高さが確認され、『世のため人のために働く』という日本人の美徳が失われていなかったことに、大きな感激と勇気を得た。

 産経新聞(3月25日朝)によると、米国の大手研究機関AEI(アメリカン・エンタープライズ・インスティチゥート)は、『日本の悲劇=危機から分岐点へ?』という討論会を開催し、その中で次のような意見が出たことを紹介している。

 「日本国民がこの歴史的な災禍に冷静さを保って対応したことは、米国内ではリベラル派から保守派まで一様に感嘆させた」「日本人がこうした状況下で米国でのように略奪や暴動を起こさず、相互に助け合うことは全世界でも少ない独特の国民性であり、社会の強固さだ」「日本国民が自制や自己犠牲の精神で震災に対応した様子は広い意味での日本文化を痛感させた。日本の文化や伝統も米軍の占領政策などにより、かなり変えられたのではないかと思いがちだったが、文化の核の部分は変わらないのだと思わされた」

 そして「近年の日本は若者の引きこもりなど、後ろ向きの傾向が表面に出ていたが、震災への対応で示された団結などは、本来の日本の文化に基づいた新しい目的意識を持つ日本の登場さえ予測されると論評している。(赤文字筆者)


 災害発生時には、他の人々を助けるために犠牲になった方々の話があちらこちらから聞かれ、震災後は、自治体職員をはじめ、自衛隊、警察、消防そして民間ボランティアの人々が、自分の苦境にもかかわらず、被災者の援助のために献身的活動を展開している。
さらに、福島第1原発の危険区域内では、自衛官、消防官そして関係職員等は、自己の危険を顧みず、犠牲的行動をもって多くの人々の命を守ろうと努力している。このような活動に臨む人々からは、「日本の武」の開眼を予期させる。

 我々は、今後、更なる艱難辛苦に直面するかもしれない。しかし、生き残った日本人は、多くの犠牲者のためにも、一丸となってこの国難を乗り越える使命がある。そうした努力を通じ、『利己的自由を優先する社会』から脱却して、本来の『利他的行為を重んずる社会=家族的社会』日本を取り戻すことができれば、多くの人々の尊い犠牲に報いることができるだろう。

 そういう意味で、私たちは、災害復興の合理的プロセスだけでなく、国民が一丸となって助け合う精神の作興にこそ努力をはらいたいものである。(あ)



明治天皇御製
しきしまの 大和心のををしさは ことある時ぞあらはれにける


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