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コラム「大和心」

同盟進化論にひそむ依存心を払拭せよ

 3・11東日本大震災から百カ日(6月18日)。政府はようやく復興基本法を成立させた。

 このたびの大震災における世界各国、地域からの日本への支援の中で、米国が群をぬいて大きかったのは衆知の事実だが、日本の国力に対する、支援する米国の国力との実態は不明な点が多い。ただ指揮統率力が欠け失態が続き、原発事故を制禦しきれない民主党政権が、昨年の鳩山政権とは別に、結果的に米国依存を強めたことは確かだ。それが6月21日、ワシントンでの日米両政府(民主党政権下では初開催の)日米安全保障協議委員2プラス2(日本の外相、防衛相、米国の国務長官、国防長官の4人で構成)で、新たな「共通戦略目標」を策定し、日米同盟の深化と拡大を確認した(読売6月22日付)との報道となっている。

 これまで同盟深化を謳ってきたのは、読売や産経紙。特に産経では、主張や正論欄で、日米の論客を動員してそのことを主張してきた。最近では6月17日付で「東日本大震災と日米同盟」との見開き(二面)の紙上座談会を掲載。その前の6月11日には、「アメリカ ありがとう 友情と同盟のあかし」と銘打って、一面全面の意見広告を出したのがひときわ目を引いた。

 それは自衛隊に協力して、1万8千人の海軍、空軍、陸軍、海兵隊を動員した「トモダチ作戦」に対するアメリカへの感謝の表明広告となっているが、これまでの一連の報道記事からみれば、米国との"同盟深化"を日本人から呼びかける編集意図がにじみ出ているもので、現政権下の日本のおかれた国際情勢下からくる危機意識の一つの表れともいえる。

 しかし戦後日本の国家の独立心養成という観点から考えれば、すぐには賛同しかねる社会的アピールともいえた。

 そこに列ねられるアメリカへの感謝の辞の裏を返してみれば、日本の国力の欠陥の羅列であるが、果たして日本の自衛隊は、米軍の支援・救援なくしては、国難に対処できないのか――。

在日アメリカ軍を起点に震災翌日から始まった統合支援活動「トモダチ作戦」では、原子力空母「ロナルド・レーガン」や駆逐艦など19隻、航空機140機、1万8千人の大部隊が投入され、被災地支援拠点となる仙台空港の復旧、被災者への物資供給、捜索・救援などをリードするめざましい活動を展開しました。

(中略)

それに加えるに、原発事故に対する専門家・特殊チームの派遣や、各地で救難活動にあたった米国際開発局(USAID)レスキュー支援隊などの支援や助言もありました。

と、アメリカ軍事力の偉容と、原発事故に関する専門家、特殊チームを列記。こうしたトモダチ作戦によって、

 「日本の人々と連帯する」「日本はひとりじゃない」という言葉とともに、日本人に限りない力と勇気を与えてくれました。「危急の友こそ真の友」という諺(ことわざ)を自ら示してくれたオバマ大統領やアメリカ政府職員、アメリカ軍関係者、アメリカ国民の皆さんの友情と連帯に対し、日米同盟の重要さを深く心に刻み、感謝します。

 「アメリカ ありがとう」

と結ばれている。米軍の支援がなければ、日本および自衛隊の復興への道筋はできなかったと心配されるほどだ。  果たして今回の非常時における日本の真の国力の実態はいかばかりであったのだろうか。米軍の力にどれほど頼らねばならなかったのであろうか。最後に一つ疑問を呈しておきたい。

 統合支援活動「トモダチ作戦」とあるが、それは自衛隊の指揮のもとに米軍が活動したのであろうか。それとも米軍の統合支援活動の下に、自衛隊が参加したのであろうか。どうも日米安保の米軍という性格上、後者のように思えるのだが――。

 日本武道がめざす国民の精神気概の養成は、たとえ"同盟国"米軍の力がなくとも、屈することなく立ち上がるものでなければならない。原発事故においても、科学技術の魔性を日本人の培ってきた自然を畏敬する心と英知で克服していくことこそ、最も大切であろう。(い)


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