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コラム「大和心」
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 明治天皇が崩御(ほうぎょ)されて百年。7月30日には、明治天皇百年祭が大祭式でとりおこなわれる。

 14日には、明治聖徳記念学会が記念講演二題、
「明治天皇とその時代」 伊藤之雄(京都大学大学院教授)
「神道史から見た明治天皇」 武田秀章(國學院大學教授)
――を開催する。

 また、21・22日には明治神宮武道場至誠館の四科――弓道、柔道、剣道、武道研修科――による武道の奉納がある。

 神道のまつりとは、神々の御心をはかり、御神意を現代に具現化するという意味合いがあろうが、伝統文化の行事で、それらの精神思想が明らかにされ、武道の実践力が大いに修養されることを期待したい。

 年々の祭りを通して、御祭神の精神を継承しながら、その普及、具現化をはかることは、時の流れと状況の変化の中で容易なことではないが、祈りの心をもって歩をすすめることは、国民精神を浄化し、高めて行くことになる。

 そこに神社神道の静かなる神化力があって、天・地・人の一致したとき、大なる力となる。

 さて、この明治天皇百年祭にあたり、私たちはいかなる精神を受け継いでいくべきであろうか。

 まずは“明治天皇とその時代”とあるように、明治の御代(みよ)の国家興隆期の精神を学び、気概を養いながら、次に、その精神気概をもって、新たなる時代を生き抜いていくことである。

 しかし歴史の事実は、そうはいかない時代が続いた。否、今も続いている。

 明治天皇崩御から今日まで百年の歴史は、その苦悩の足跡であって、一概に割り切った表現ができない難しい時代である。国家が混迷し、低迷して、挫折した歴史と捉えることもできるが、国民全体がしっかりと、この百年の歴史を把握しなければ現代の混迷を切り開いていく力がわいてこない。

 では、いかに把握するか。

 身体を鍛え、技を磨くと同じように、知を練って、創造力を発揮せねばならぬ。

 「一人の敵」を小なる武道(兵法)と称し、「万人の敵」を大なる武道(兵法)と称するなら、知を練って、「彼を知りて、己を知」って、百戦殆(あや)うからずとすることは最も大切なことである。今は、彼を知らず己を知らざる状態。これでは戦うごとに必ず殆うしとなる。

 現代100年の日本の歴史を拾ってみると、

 大正時代――、第一次世界大戦に参戦、シベリア出兵、ワシントン会議
 昭和時代――、満州某重大事件、ロンドン海軍軍縮会議、統帥権干犯問題、三月事件、満州事変、十月事件、国際連盟脱退、二・二六事件、日独防共協定、盧溝橋事件、日独伊三国同盟、日ソ中立条約、独ソ戦開始、米国の在米日本資産凍結、南部仏印へ進駐、米国の対日石油全面禁輸、対米英宣戦布告

 この複雑な歴史の流れをどう理解するか。そして敗戦、占領のあとの戦後をどう捉えるかが、現代を考える要(かなめ)となろうが、連続的に捉えている人がどれほどいるだろうか――。

 近年“日本の戦争”を考えるテレビ番組や出版物が増えている傾向にある。反戦、厭戦思想からなぜ日本は戦争をしたのかとの問いかけのようだが、それでも幅広くかんがえることにつながる。ここに近年、出版されて話題となった大東亜戦争に至る生の証言を記録する書籍を紹介しておきたい。まず知を練って、武道人にとって必須教養となる日本の現代史の空白を埋めてほしい。(い)


『日本海軍400時間の証言 軍令部・参謀たちが語った敗戦』
NHKスペシャル取材班(2011年7月 新潮社発行)
・2009年8月に、NHKスペシャルで放送されたもの

『[証言録]海軍反省会』戸一成編(2009年8月 PHP発行)

『[証言録]海軍反省会2』同(2011年1月 PHP発行

『[証言録]海軍反省会3』同(2012年1月 PHP発行)

『日本人はなぜ戦争へと向かったのか 上』
NHK取材班編著(2011年2月 NHK出版発行)
・新たに見つかった膨大な証言・資料から浮かび上がる太平洋戦争へと至った「本当の道のり」とは。

『日本人はなぜ戦争へと向かったのか 下』
NHK取材班編著(2011年6月 NHK出版発行)
・高揚を創出した戦争報道の知られざる側面、開戦を決断したリーダーたちの驚くべき実態。新資料が明かす「なぜ」への回答とは。

『日本人はなぜ戦争へと向かったのか 戦中編』
NHK取材班編著(2011年11月 NHK出版発行)
・日本中が真珠湾攻撃の勝利に沸き返る中、指導者たちが下した驚くべき“決定”とは? 太平洋戦争のターニングポイントに迫る。

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