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コラム「大和心」
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『新しい国へ』にみる政治家の質
 安倍政権に対するマスコミ論調は、期待と不安が入り混じっている。日刊紙は改憲ムードを盛り上げ、反対派は右傾化批判。月刊誌は三月号で「安倍政権大論争」(『文藝春秋』)、「安倍政権を襲う難題」(『正論』)、「安倍内閣の世界的使命」(『Will』)等といった特集をしているが、まずは安倍首相の決意と実行力を測る時期というべきか。

 いろいろな論調の中で、2つのものが目を惹いた。

 ひとつは、一般国民向けに出版された『新しい国へ――美しい国へ 完全版』(安倍晋三著、文春新書)である。

 まえがきで、“闘う政治家”でありたいと宣言しているのは、第一次政権で中途で倒れた無念さから再び立ち上がり、闘う自らの姿と、激変の国際情勢下、日本の闘う気概を取り戻したい現状に、果敢に打って出た姿となっている。

 本文は七章からなる。「わたしの原点」「自立する国家」「ナショナリズムとはなにか」「日米同盟の構図」「日本とアジアそして中国」「少子国家の未来」「教育の再生」とわかりやすく自らの人となりを語りつつ、最終章を「日本を、取り戻す」と締めくくっている。

 そこには祖父の岸信介(1960年日米安保時の首相)、父親の安倍晋太郎(外務大臣)の血筋を受け継ぎつつ、大事をなす政治家の質を感じさせる著書となっている。

 ただ、日本人の精神的力強さをどう回復させていくか――。

 戦後体制の克復は、大いに賛成である。だが敗戦・占領、そして70年後の今日なお続く日米安保体制下に浸透した日本人の従属的意識を払拭しなければ、自主独立の精神気概は養われてこないのではないか。

 まさに「教育の再生」の核心となる問題だ。

 現代の“尊皇攘夷”ともいえる国家国民の精神気概をいかに養成するかを強く語ってほしかった。

 「恐ろしい人になった」と評されるほどに
 もうひとつは、佐伯啓思京都大学教授と安倍氏に近い西田昌司自民党参議院議員の討論「安倍総理の『覚悟』は本物か」(『新潮45』)だ。その中で、西田氏が麻生財務相の言葉として、今回の安倍首相が「恐ろしい人になって、すごいよ」と語っている部分である。

 両氏がいろいろ問題を出して議論しあった後で、結局、安倍総理がどう思っているかと話が進む――。

佐伯 それは、西田さん、訊いて下さい。安倍さんの人生観と宰相としての覚悟を。
人間と言うのは生きる覚悟が必要だし、まして政治家になれば、ほんとうに文字どおり国家の命運を背負った決断が求められる。何か覚悟があるはずです。その覚悟が出てくるもとになるものは、一体何なのか。
西田 やっぱり、この前の失敗でしょう。前政権時の。
佐伯 ああ、そうか。

 次に麻生財務相の、小泉首相と安倍首相の前回と今回の比較の言葉――。

西田 「(略)小泉さんは自分の意見と反対のやつは、絶対に入れなかった。全部放りだした。守旧派だ、と。見た感じであって、改革路線の人間ばかり使っていた。安倍さん、前回はお友達内閣だとか言われて叩かれたろ。今回は、肌合いの違う人間もどんどん使ってる。で、一番やりにくい仕事を与えている。例えば、自分のライバルだった人間に、だ。この五年の間に、この人は恐ろしい人になってるよ、ほんとうに。だからこれは、すごいよ。彼は、何か、覚悟というか、次々、あの人の思いの中で決断してやっていってる」

 と。麻生財務相は、安倍前政権のあとを受けた首相経験者でもある。その人が、「恐ろしい人になっている、すごいよ」と評する安倍首相の覚悟、決断は注目に値しよう。

来年こそ「建国記念の日」は政府主催で
 去る2月11日の建国記念の日の式典は、渋谷公会堂で行われたが、建国を祝う会の主催者側にひときわ目立ったことは、この式典を来年は「政府主催」で行おうとの強い主張であった。

 式典には、下村博文文科相、高市早苗自民党政調会長そして安倍首相の特使としての萩生田光一総裁特別補佐が列席、それぞれに「政府主催」の実現を検討している旨を宣言したのは特記すべきことだった。しかし、力強さに欠けていた。

 それは、“来年実行”とは明言しなかったからだ。

 もし、来年の建国記念日に政府が建国式典を主催して、“神武建国”で皇室国家国民の一体感を国内外に強くアピールすれば、大いなる国威発揚となることだろう。その実現は、安倍首相の決断による。他に、何ら障害はない。のみならず、これこそが安倍自民党政権が掲げる諸政策を大きく推進させる地ならしとなる核心であろう。(い)

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