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【平成31年・令和元年】

秋号

『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 

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勅使参向のもと本殿遷座祭を斎行
勅使参向のもと本殿遷座祭を斎行

鎮座百年祭を控え戦後復興以来の重儀

8月10日午後七時から、御祭神のが仮殿から本殿におりになる本殿遷座祭「の儀」が、翌日午前10時から天皇陛下よりの御幣物が奉られる「の儀」が、勅使参向のもと執り行われました。

先の戦争で灰燼に帰した社殿が復興して行われた昭和33年以来、61年ぶりの明治神宮本殿遷座祭。お屋根は葺き替えられ、調度品もすべて新たにされた清々しい御本殿に還御されました。

 

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鎮座百年祭記念
鎮座百年祭記念

明治神宮ミュージアム 10月26日開館へ

明治神宮では、鎮座百年祭記念事業として、明治天皇・昭憲皇太后おゆかりの宝物を良好な状態で末永く保管すると共に、ご参拝の方々が明治神宮をより深く理解いただくための情報発信の施設として「明治神宮ミュージアム」を新築しました。来る10月26日に一般公開が行われます。

 

1階で基本的情報を提供

2階でより深い理解を

「明治神宮ミュージアム」は、明治神宮原宿口から徒歩約三分の南参道沿いに新設されました。神橋を渡ってすぐ右側に、杜の木立の中に黒い入母屋造りのミュージアムがたたずんでいます。

延べ床面積約3200平方㍍2階建、設計は隈研吾建築都市設計事務所。明治神宮の御社殿と調和し、森に融け合うようなデザイン設計となりました。

1階の「杜の展示室」は、御祭神、明治神宮、神道などに関する基本的な情報を伝える内容となっています。

2階の「宝物展示室」では...

 

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聖蹟を歩く 第35回 明治14年北海道・秋田・山形巡幸(9)
聖蹟を歩く 第35回 明治14年北海道・秋田・山形巡幸(9)

在りし日の剣吉昼餐所の外観(「青森県行幸関係写真/明治」、宮内庁宮内公文書館蔵)

八戸街道を往く

明治14年(1881)8月24日、青森県2日目の朝、明治天皇は三戸(さんのへ)を発ち、しばらくの間、奥州街道を進まれます。東京を発って二十六日目、巡幸の旅路は、まだ三分の一にも達していません。

明治九年の巡幸では経路から外れていた八戸(はちのへ)へ向かうため、天皇は奥州街道を右に折れて八戸街道(三戸街道)へ入り、騎馬と馬車を乗り換えながら、沖(おき)田(た)面(もて)、剣吉、苫米地(とまべち)と進まれました。

在りし日の剣吉昼餐所(ちゅうさんじょ)(出町宅)の建物については、宮内公文書館に写真が遺されています(写真)。苫米地小休所(夏堀宅)跡には記念碑が建てられ、平成27年(2015)、天皇ご滞在について記した新しい解説が南部町役場の敷地に設置されました。

その先、天皇の船が馬淵川を渡り始めると、雅楽の調べが響き渡りました。川の上流で八戸中学校の教員が楽器を奏で、生徒が歌唱して奉迎に努めたのです。天皇は、櫛引に上陸して馬車で進み、長者山新羅神社の境内で旧南部藩士たちによる打毬をご覧になりました。

 

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打越 孝明(うちこし・たかあき)

昭和35年、茨城県水戸市生まれ。早大大学院に学び、同大学助手や大倉精神文化研究所専任研究員などを経て、現在明治神宮国際神道文化研究所主任研究員および早大非常勤講師を務める。著書に『絵画と聖蹟でたどる明治天皇のご生涯』、共編著に『日本主義的学生思想運動資料集成Ⅰ・Ⅱ』や『大倉邦彦の『感想』―魂を刻んだ随想録―』、論文に「明治天皇崩御と御製 上・下」(『復刊明治聖徳記念学会紀要』25・26)などがある。

「資料に見る明治神宮とその時代」
「資料に見る明治神宮とその時代」

第17回『陛下御参拝覚書記録綴』

大正9年11月1日、日本晴の好天に、勅使九條道実掌典長が、御霊代(みたましろ)の唐櫃を奉じて参向、御霊遷(みたまうつし)の御祭文を奏し、明治神宮鎮座祭が厳粛裡に斎行されました。

そして、畏(かしこ)くも鎮座祭翌日には、大正天皇の御名代として皇太子裕仁親王殿下、同月11日には天皇陛下、同月15日には皇后陛下の御参拝を賜っております。

『陛下御参拝覚書記録綴』には、御参拝にあたっての祭典(御参拝式)に関する覚書等の記録が綴られ、大正9年の天皇陛下御参拝の頁には「此の日朝来細雨頻(しき)りに灌(そそ)ぎ、神域の神々しさ言語に絶へず。畏くも現御神(あきつみかみ)の初の行幸を迎へ奉る。一同の感激に至りては更に之を録せんとするも能(あた)はず」とあり、当時の奉仕神職、参列員一同のたとえようのない感激などが記されてます。

 

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