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【平成31年・令和元年】

新年号

『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。

我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。

明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 

[明治神宮崇敬会のお申込み]

明治維新百五十年記念特別展 聖徳記念絵画館に行幸啓
明治維新百五十年記念特別展 聖徳記念絵画館に行幸啓

展示品を御覧になられる両陛下

明治維新150年を記念して、特別展「明治日本が見た世界~巨大壁画でたどる日本開国史~」を10月6日から11月11日まで聖徳記念絵画館にて開催し、11月8日には天皇皇后両陛下の行幸啓を賜りました。企画を担当した明治神宮国際神道文化研究所の今泉宜子主任研究員がご説明役を務め、御祭神の御事蹟を描いた壁画をはじめ、岩倉使節団や日本初の女子留学生に関する資料など、壁画に描かれた人物、また壁画を描いた人物に関する展示品を熱心にご覧になりました。

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、崇敬会にご入会下さい

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明治維新150年記念大会 「明治の精神」に心をよせ
明治維新150年記念大会 「明治の精神」に心をよせ

宣言決議を読み上げる網谷理事長

明治維新150年記念大会(主催・明治神宮、一般財団法人明治神宮崇敬会)が10月22日、明治神宮会館で開催され、政界や経済界、宗教界の代表をはじめ明治神宮関係者ら約1500人が参集しました。・・・

来賓として、内閣官房長官・菅義偉氏が「150年間にわたる先人たちの業績と、それを支えてきた精神を糧とし、次世代に伝えて行くことは極めて重要なこと」と祝辞を述べ、神社本庁統理・鷹司尚武氏は来年の御譲位と御即位に触れつつ「来るべき時代を前に、私たちは今一度、明治維新の精神に思いを致し、日本国民たる気概と誇りをもって大御心にもとづく道統の護持と国民精神の昂揚に万全を期して取り組まねばならない」と述べられました。

また経済界を代表して日本経済団体連合会会長(代読・久保田政一事務総長)が渋沢栄一氏からの産業経済界との縁に触れつつ、「今こそ、明治維新を成し遂げた先人たちの気概あふれる崇高な精神に敬意を表し、よりよき社会づくり国づくりに邁進し、豊かで活力ある日本を次世代に引き継ぎたい」との祝辞を述べられました。・・・

 

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明治神宮と私
明治神宮と私

佐藤 岳彦

――ここはどこなんだ?

明治神宮の森にたたずみ、私は何度このことを思ったのだろうか。オオタカがオシドリを襲い、ヘビがヘビを食らう。タヌキのため糞からは美しいカビが伸び、オサムシの輝く亡骸からはキノコが生える。この森で出会う、生と死のドラマ、生命の不思議なつながりと対峙する度に、その剥き出しの野生に心を奪われ、素直に驚き、自分のいる場所を疑った。本当にここは大都市・東京のまっただ中なのか。コンクリートの広大な海の中にこんなにも豊かな生命が息づいているのか、と。

 

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佐藤 岳彦(さとう・たけひこ)

昭和58年、宮城県生まれ。大学院(森林動物学)中退後、写真家の道へ。傍らの自然から熱帯のジャングルまで、日本・世界各地を旅し「生命」を見つめ続けている。写真集に『生命の森 明治神宮』(講談社)、『変形菌』(技術評論社)がある。平成30年、日本写真協会賞新人賞を受賞。最新刊は写真集『密会生命』(講談社)。

聖蹟を歩く 第32回 明治14年北海道・秋田・山形巡幸(6)
聖蹟を歩く 第32回 明治14年北海道・秋田・山形巡幸(6)

(奥州市)佐藤家の子孫が営む旅館の看板には「明治天皇行在処跡」と書かれている

奥州市の聖蹟

明治14年(1881)8月17日、明治天皇は一関(いちのせき)の行在所(あんざいしょ)を発ち、今の奥州市を通る奥州街道を北へ向けて進まれました。東京を出て19日目のことです。

砥草長根(とくさながね)の小休所(こやすみしょ)は、徳沢坂を登った高地に設けられました。雄大な風景が見渡せたことでしょう。大正13年(1924)1月26日、裕仁親王(のちの昭和天皇)のご成婚を期して建てられた「明治天皇駐蹕趾(ちゅうひつあと)」碑は、東北自動車道の開通(昭和52年)に伴う土地開発によって、現在、その所在が不明です。

昼食を召されたのは、前沢で旅宿業を営む佐藤宅です。今も旅館が営業を続け、建物前には、「明治天皇行在処跡 佐藤屋旅館」と書かれた標示が設置され(写真)、入口付近に「明治天皇前沢行在所」碑が立っています。

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打越 孝明(うちこし・たかあき)

昭和35年、茨城県水戸市生まれ。早大大学院に学び、同大学助手や大倉精神文化研究所専任研究員などを経て、現在明治神宮国際神道文化研究所主任研究員および早大非常勤講師を務める。著書に『絵画と聖蹟でたどる明治天皇のご生涯』、共編著に『日本主義的学生思想運動資料集成Ⅰ・Ⅱ』や『大倉邦彦の『感想』―魂を刻んだ随想録―』、論文に「明治天皇崩御と御製 上・下」(『復刊明治聖徳記念学会紀要』25・26)などがある。