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【平成29年】

夏号

『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。

我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。

明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 

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明治神宮鎮座百年記念事業の概要
明治神宮鎮座百年記念事業の概要

平成32年(2020)に明治神宮は鎮座百年大祭を迎えます。

明治天皇、昭憲皇太后を仰ぐ先人の、熱い思いとまごころで創建された明治神宮。百年を迎えようとしている今、これから先の百年のために御社殿屋根の修復や鳥居の建て替え、さらには御祭神みゆかりの貴重品など宝物を保管・展示する新施設が必要不可欠であるということが調査の結果、判明しました。

本年は、明治天皇践祚150年、来年は明治維新150年という節目を迎え、いよいよわが国の歴史や国柄に関心が集まる秋(とき)となります。

百年前の先人たちが、赤誠と共に寄せた10万本の献木と、のべ11万人の青年団の勤労奉仕に思いを馳せ、今また現代に生きる私たちのまごころを結集し、晴れやかに鎮座百年大祭を迎え、次の百年へとしっかりと受け継いでいきたいと存じます。

 

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明治神宮と私
明治神宮と私

ゴディバジャパンの社長室にて

明治神宮至誠館には、いつからいらっしゃっているのですか。

1995年に門人になり、一度フランスに帰って、改めて門人になったのは3年前、2014年だったと思います。

参宮橋の入口から明治神宮に入るのですが、いつも静か。東京のど真ん中に別世界が広がっています。街から急に森の中に――。仕事で疲れていても、稽古をすれば身体を使い、神経も仕事と全然違うところを使いますから、終わるとリフレッシュして、元気になります。

弓道は、なるべく生活の一部にしたいと思っています。家の小さな庭に巻藁を置いて、朝3、4本矢を射るようにしています。江戸時代の武士はブレックファーストの前に稽古していたそうですね。最近まで知りませんでしたが、私もやっていました。

 

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ジェローム・シュシャン(Jerome Chouchan)

1961年生まれ、フランス・パリ出身。大学在学中初来日したのを機に、日本文化に興味を持つ。29歳で弓道を始める。フランス国立造幣局、LVMHグループ・へネシーディレクター、リヤドロジャパン代表取締役社長などを経て、平成22年ゴディバジャパン代表取締役社長に就任。弓道錬士5段、国際弓道連盟理事。著書に『ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?』(高橋書店)。

明治神宮と私
明治神宮と私

村治 佳織氏

大学で出会った合気道と師

コンサートを元に出された5年ぶりのアルバム『ラプソディー・ジャパン』に、お礼参りの際、明治天皇御製「人めにはみえぬものからかがやくはこころの底の光なりけり」に胸を打たれた、というエピソードが記されています。

 

ああ、いい歌だなぁと思いました。音は目に見えないものですし、私が弾く曲はほとんど過去を生きた方のもので、実際にお会いすることもできず、楽譜という目に見えるものから目に見えない背景を想像して自分で解釈するということを、子供の頃から自然とやってきました。

あらためてこの間立ち止まったときに、15歳でCDデビューのお話をいただけたとか、本当に恵まれていたんだなと。だからこそ、この流れはこれで終わりでも充分満足だ、と思ってしまいました。もう未練はない、そう思ったほうが私は楽だったんですね。新しい流れは今からつくっていけばいいんじゃないか、と。いかに自分の心が窮屈にならず、楽になれるかという考え方を見つけていくことをしたと思います。

世の中ってけっこう西洋化されているんですよね。日本の考え方とか、神道とか、成り行きな感じでいいんですよね。よく、インタビューでこの先どうしたいか、と聞かれますけれども、今の積み重ねで。でも、積み重ならないかもしれない。一生ではわからない、わからないことがあってもいい、と思っています。

 

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村治 佳織(むらじ・かおり)

東京出身。幼少のころより父に手ほどきを受ける。平成元年、ジュニア・ギターコンクール最優秀賞受賞。平成五年、津田ホールにてデビューリサイタル。同年、デビューCD「エスプレッシーヴォ」(ビクターエンターテイメント)。 平成17年、第19回日本ゴールドディスク大賞クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー〈洋楽〉受賞のほか、アルバムリリース、ツアー、CM出演等多数。

代々木の杜のはなし
代々木の杜のはなし

鈴木和夫氏

明治天皇と全国植樹祭

私の仕事は森林の大切さを知ってもらうことだと思っているんです。

日本で森林の大切さを知ってもらおうと始まったのは、実は明治天皇の時代なんですね。明治28年、天皇の御誕生日の11月3日を学校植栽日としました。それを、本多静六が関わったようですけれども神武天皇祭の4月3日に変えて、その後昭和8年、4月2日から4日までを「愛林日」として制定しました。これが、現在行われている全国植樹祭の起源です。全国植樹祭という名前は昭和25年からです。昭和天皇が崩御され、平成元年、昭和天皇の御誕生日、4月29日が「みどりの日」になりました。

平成19年から4月29日が「昭和の日」になって、5月4日が「みどりの日」になり、4月15日から5月14日を「みどりの月間」としました。さらに「みどりの学術賞」を創設して「みどりの式典」が行われるようになりました。「みどりの式典」は天皇皇后両陛下、三権の長が参列している、ひじょうに大きな催事なのですが、この式典もいきさつも、あまり知られていないのではないでしょうか。みどりの意義を伝えたいですね。

 

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鈴木 和夫(すずき・かずお)

昭和19年茨城県生まれ。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。農林省林業試験場(現森林総合研究所)、東京大学農学部教授、独立行政法人森林総合研究所理事長などを歴任。平成22年、内閣総理大臣「みどりの学術賞」授賞。主な編著書に『樹木医学』(朝倉書店)、『森林保護学』(文永堂)、『森林の百科事典』(丸善)等。