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【平成25年】

夏号

『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。

我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。

明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 

[明治神宮崇敬会のお申込み]

魂の行き場を失った戦後日本
魂の行き場を失った戦後日本

佐伯啓思(京都大学大学院教授)

私には、今日の日本の混迷の根本は、この「精神(エートス)」の軸が見えなくなった点にあると思われる。「魂」というものが見えなくなってしまったように思われる。「魂(タマシイ)」とはもともと「タマ」というある種の生命力を指す言葉である。それは目にみえるものではないが、ある状況のなかである肉体にはいることで現実の力をなり作用を生みだす。

 

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佐伯 啓思(さえき・けいし)

昭和24年、奈良県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。平成19年正論大賞受賞。著書に『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞)、『現代日本のリベラリズム』(講談社、読売論壇賞)、『日本の宿命』(新潮新書)ほか多数。

明治神宮と私
明治神宮と私

山川静夫

明治神宮に参拝したときには、浅間神社にはないような参道があって、それで「とても長いね」と父に言ったら、「参道は長い方がいいんだ」って言うんですよ。それはいまもよく覚えています。川を渡って歩いているうちに、だんだん緑に洗われて、さわやかな気持ちになって神前に額づく、それがひとつの道のりなんだ。そういう道のりを経験するというのが神に近づくことだ、って。

 

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山川 静夫(やまかわ・しずお)

昭和8年、静岡生まれ。國學院大學卒業後、NHKアナウンサーとして入局。平成6年よりフリー。著書に『歌舞伎の愉しみ方』(岩波新書)、『大向うの人々 歌舞伎座三階人情ばなし』(講談社、講談社エッセイ賞受賞)ほか多数。

明治神宮と私
明治神宮と私

榎木孝明(俳優)

お参りは今も、ほぼ毎月来ています。先週も女房と。家も近いものですから。住まいが三十年来、代々木界隈なんですよ。もう一つは、劇団四季が昔、参宮橋にありまして、そこの研究生だったものですから、暇があるともう、この代々木の杜の緑を求めて。田舎生まれの田舎育ちなもんですから、都会になかなかなじめなくて。身近にこの杜があることで、どれだけ私の精神を癒してくれたか。何かあるたびに、きていました。

 

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榎木 孝明(えのき・たかあき)

鹿児島県出身。武蔵野美術大学に学び、劇団四季を経て、NHK朝の連続テレビ小説『ロマンス』主演でテレビデビュー。俳優として、映画・テレビ・舞台で活躍。水彩画の画家としても著名で、全国各地で個展を開く。

聖蹟を歩く 第14回 明治11年北陸・東海道巡幸(8)
聖蹟を歩く 第14回 明治11年北陸・東海道巡幸(8)

清洲(きよす)小休所(林邸)を経て、午後5時、(明治)天皇は名古屋行在所に充てられた名古屋別院(真宗大谷派)に到着されました。今も境内に遺されている「明治天皇行在所旧址(きゅうし)」碑(大正6年建立)によると、当院に明治天皇は6回、昭憲皇太后は3回滞在されています。

 

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打越 孝明(うちこし・たかあき)

昭和35年、茨城県水戸市生まれ。早大大学院に学び、同大学助手や大倉精神文化研究所専任研究員などを経て、現在明治神宮国際神道文化研究所主任研究員および早大非常勤講師を務める。著書に『絵画と聖蹟でたどる明治天皇のご生涯』、共編著に『日本主義的学生思想運動資料集成Ⅰ・Ⅱ』や『大倉邦彦の『感想』―魂を刻んだ随想録―』、論文に「明治天皇崩御と御製 上・下」(『復刊明治聖徳記念学会紀要』25・26)などがある。