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【平成26年】

新年号

『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。

我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。

明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 

[明治神宮崇敬会のお申込み]

昭憲皇太后百年祭記念「水はうつはにしたがひて」
昭憲皇太后百年祭記念「水はうつはにしたがひて」

《対談》中島 精太郎 × 小平 美香

宮司 明治という時代は、とかく明治天皇を中心とした元勲政治など、つまり表舞台と言いますか、男性中心に語られてきたと思います。しかし、それだけでは明治の時代を語りきれません。明治天皇を内からお支えになられ、国民一人ひとりに慈しみの御心を注がれてきた昭憲皇太后がおられたわけです。

<中略>

小平 女性も欧米のように近代化しなくてはという時代の要請の中、当時の女性が昭憲皇太后をどのようなまなざしで見ていたか、ということに関心があります。そのことを資料から探っていくと、また新しい昭憲皇太后像が浮かび上がってくるのではないかと思っています。女性の生き方の未来を考えるためにも、時に立ち止まって後ろを振り返ることは大切だということを改めて感じています。

 

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小平 美香(おだいら・みか)

昭和41年、東京都生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業、同大学人文科学研究科哲学専攻博士後期課程修了。博士(哲学)。現在、学習院大学・学習院女子大学非常勤講師。板橋区・天祖神社禰宜。著書に『女性神職の近代』(ぺりかん社)がある。 [「代々木」トップに戻る]

昭憲皇太后のみ教え 「昭憲皇太后さまに届きますように」
昭憲皇太后のみ教え 「昭憲皇太后さまに届きますように」

明治という新時代を天皇とともに牽引された皇后、昭憲皇太后は早くから教育の重要性に着目し、女子の教育を奨励された。下賜された昭憲皇太后の御歌を今も歌い継いでいる学校、御歌の趣旨を学校の教育理念として定めている学校のほか、創設者が昭憲皇太后とゆかりの深い人物で、お諭しや御心がその教育方針に脈々と流れている学校もある。昭憲皇太后のご坤徳は、今も確かに息づいている。

4月11日の百年祭を迎えるにあたり、4月6日午後3時から、ゆかりのある学校4校(学習院女子中等科・高等科、跡見学園、実践女子学園、武蔵野中学高等学校)から、さまざまな行事が明治神宮に奉納されることになった。

昭憲皇太后とそれぞれの学校の関わり、そして奉納行事などについて紹介する。

 

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学習院女子中等科・高等科、跡見学園、実践女子学園、武蔵野中学高等学校

明治神宮と私
明治神宮と私

人馬一体となって描く森部氏

馬面(うまづら)】――辞書をひくと、「馬のように長い顔をあざけっていう語」とある。馬の顔を描く「UMAZURA」シリーズを手がける森部英司さんは、「馬に『馬面』と言ったら、ハンサムなのかもしれませんね」と、ほほえむ。馬をテーマにさまざまな芸術作品を手がけている森部氏が、聖徳記念絵画館が所蔵する明治天皇の御愛馬・金華山号を描き、去る8月、明治神宮に奉納された。本紙表紙の作品(アクリル絵具、アクリルインク、P120号)がそれだ。

森部氏の実家は明治11年北陸・東海道巡幸の折、小休所となった明治天皇聖蹟。明治神宮から研究員が調査に出向いたのが、始まりだった。

折しも平成26年は午(うま)年。森部氏からお話を伺った。

 

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森部 英司(もりべ・えいじ)

昭和53年午年生まれ。名古屋芸術大学中英国に留学、その後、ローマに滞在。帰国後、御殿場の乗馬クラブに勤務。実際の馬を使ったアートパフォーマンスや、馬や馬具をモチーフに作品を制作している。

[特別編]昭憲皇太后の聖蹟を歩く(上)
[特別編]昭憲皇太后の聖蹟を歩く(上)

能代市のきみまち坂公園にある御歌碑

明治初年より、民情のご視察や軍事演習の親閲などの目的で天皇は日本各地を行幸しました。皇后は、遠く離れた地にいらっしゃる天皇の身を案じられることが多かったようです。

<中略>

大宮のうちにありてもあつき日をいかなる山か君はこゆらむ

暑さの残る東京赤坂の仮皇居において、山あいを進まれる天皇の難儀を慮(おもんばか)られた御歌です。地元では、天皇が二ツ井に到着されたとき、ちょうどこの皇后の御歌が届けられた、と言い伝えられています。

 

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打越 孝明(うちこし・たかあき)

昭和35年、茨城県水戸市生まれ。早大大学院に学び、同大学助手や大倉精神文化研究所専任研究員などを経て、現在明治神宮国際神道文化研究所主任研究員および早大非常勤講師を務める。著書に『絵画と聖蹟でたどる明治天皇のご生涯』、共編著に『日本主義的学生思想運動資料集成Ⅰ・Ⅱ』や『大倉邦彦の『感想』―魂を刻んだ随想録―』、論文に「明治天皇崩御と御製 上・下」(『復刊明治聖徳記念学会紀要』25・26)などがある。