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【令和2年】

秋号

 

 『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。 

 [明治神宮崇敬会のお申込み]

 

 

・「永遠の今」鎮座百年祭を迎えて 中島精太郎

・ 明治天皇大嘗祭「悠紀斎殿」復活の物語 水谷敦憲

・ [連載]聖蹟を歩く 第39回 明治14年北海道・秋田・山形巡幸(13)    

  打越孝明(明治神宮国際神道文化研究所主任研究員)

 

 

「永遠の今」鎮座百年祭を迎えて 中島精太郎

 

はじめに

 

 大正9年(1920年)11月1日、明治神宮はここ代々木の地に鎮座して今年、百年祭を迎えました。しかし、意想外にもこの春先より世界各国で新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、明治神宮鎮座百年祭に華を添えていただけるものと楽しみにしていた「東京オリンピック・パラリンピック」も、残念なことに延期の已む無きに至りました。さらには、新型コロナウイルス感染症拡大収束のため緊急事態宣言が発出されたこともあり、崇敬者の皆様には5月2日・3日の春の崇敬者大祭をはじめ諸祭典のご案内を控えさせていただきました。このようなことは創建以来初めてのことでありますが、恒例の諸祭儀は変わることなく厳粛に斎行いたしております。

今日、暗澹(あんたん)たる事態の中で政府及び地方自治体等による懸命なる感染症対応が行われていますが、何よりも……

 

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]

 

 

明治天皇大嘗祭「悠紀斎田」復活の物語 

水谷敦憲

 

花が咲いた‟夢物語”

 

 「鎮座百年祭には明治天皇大嘗祭の悠紀の国・主基の国揃って新穀と白酒・黒酒をお供えしたいですね」―4年前 (平成28年)、新嘗祭に主基の国の新穀と白酒を献上いただいた後の直会の席にて、鴨川市明治神宮崇敬講で白酒醸造を担当されている亀田酒造亀田雄司社長との話に花が咲き、お互いに明治天皇大嘗祭の「悠紀の国」について調査してみよう、ということになりました。 

 鎮座六十年祭(昭和55年)に遡りますが、時の高澤信一郎宮司が千葉県鴨川市の主基斎田で行われた明治天皇大嘗祭百十年記念祭に参列し、その栄誉を護り伝えてこられた地元の方々へお願いをして以来、40年の長きにわたり毎年、新嘗祭に新穀と白酒の奉納が続けられております。

 40年前の当時、國學院大學の4年生だった私は学びながら明治神宮で研修しており、明治天皇大嘗祭の主基の国から奉納が始まることに驚くと共に、「なぜ主基の国だけで悠紀の国からはないのか」と興味を持ちました。そこで………

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]

 

 

[連載]聖蹟を歩く 第39回 明治14年北海道・秋田・山形巡幸(13)    

打越孝明(明治神宮国際神道文化研究所主任研究員)

 

白老町の聖蹟

 

 明治14年(1881)9月3日、 明治天皇は白老行在所(大沢宅)を発ち、太平洋に近い海岸沿いの道を進まれます。北海道ご滞在は、今日で5日目です。 

 この日、最初に休憩された萩野野立所は、今では日本製紙北海道工場白老事業所の敷地となり、「明治十四年御駐蹕之碑」(明治44年建碑)が建てられています(写真①)。解説には、ご滞在に際し天皇が「あたり一面、萩の花が満開のようす」を「しばらくご賞覧」されたことに因み、「以後この地を萩野と称することになった」と書かれています。

 アヨロ野立所跡にも、「明治十四年御駐蹕之碑」が遺されています。高台に鎮座する虎杖浜神社境内の隣接地にあり………

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]