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【令和5年】

秋号

 『代々木』は、明治神宮・明治神宮崇敬会が発行する季刊誌です。我が国の美しい伝統精神を未来に伝えるため、昭和35年より刊行をつづけております。明治神宮崇敬会の皆様にお送りしております。

 [明治神宮崇敬会のお申込み]

 

乃木神社御鎮座百年祭 乃木希典の精神 小堀桂一郎(中央乃木会会長)

 

神前結婚式の再興を目指して 桂由美(ブライダルファッションデザイナー)

 

・大使が見た日本と明治神宮 ベネズエラ・ボリバル共和国

 セイコウ・ルイス・イシカワ・コバヤシ大使閣下

 

・[明治の気概]佐久間勉 岡田幹彦(日本政策研究センター主任研究員)

・乃木神社御鎮座百年祭 乃木希典の精神 小堀桂一郎(中央乃木会会長)
・乃木神社御鎮座百年祭 乃木希典の精神 小堀桂一郎(中央乃木会会長)

水師営の会見(提供:乃木神社)

 

心のなかに再建しよう

 戦後、あれだけひどい占領政策があったにも拘らず、乃木さんへの尊敬の心というのはきちんと保たれてきておりますし、最近では徐々に復興の兆しが見えております。これは非常に大事なことだと思うのです。

 今からでもいい、乃木さんが何を憂えて、それをどう改善すればいいのかということを、自分の断固たる行動で示すおつもりで自決をなさったのだ、ということ、これを私共は常に思い出していこうではありませんか。乃木神社さんを崇敬して、お参りするたびに、日本人の武士道と慈しみの心というものの原型がここにあるのだということを思い出して、お祀りしていただきたい。神社にお祀りするのみならず、そういう乃木像というものを、私共が再建して心の内に保っていきたい、そのように考えております。

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]

 

・神前結婚式の再興を目指して 桂由美(ブライダルファッションデザイナー)
・神前結婚式の再興を目指して 桂由美(ブライダルファッションデザイナー)

 

 私がドレスを選ぶときには国際的に判断します。私は明治天皇を尊敬しているのですが、何より日本を国際的にされた方だと思っています。ドレスも、よその国から見て日本という国がどのようにみられるかというのが一番です。

 「エレガンス(優雅)」という言葉をよく使いますが、他の国にはない、日本独得の優雅さというものがあります。それは衣装だけではなく、やっていることや考えていることについても当てはまります。海外からの観光客もよく「また日本に来たい」と言っていて、最近はそんなテレビ番組もありますよね。   

 先日の明治記念館でのショーも、“国際的”という意味で神前式でもウエディングドレスを着ていいと考えたわけです。今のままでいくと、日本の結婚式が古いのではなくて、日本人の考え方が古いということになりかねません。国際的にしても、日本の美点を残し、世界に広げたい。そういう思いで新しい衣装を作りました。

 

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]

 

 

 

・大使が見た日本と明治神宮 ベネズエラ・ボリバル共和国 セイコウ・ルイス・イシカワ・コバヤシ大使閣下
・大使が見た日本と明治神宮 ベネズエラ・ボリバル共和国 セイコウ・ルイス・イシカワ・コバヤシ大使閣下

 

――イシカワ大使は、平成の御代に大使として着任されました。日本の皇室をどのように感じていらっしゃるでしょうか。また、平成会という、日本語を話される大使のグループを主宰されています。「日本」についてお話を伺いたく存じます。

 

 どうしてもパンデミック前の平成の御代の話となりますが、天皇陛下(現上皇陛下)は、日本の価値観、献身や規律、清らかさなどの文化がまさに象徴となって顕れたようなご存在で、尊敬と敬愛の念を抱かずにはいられません。私は外交団の中では3番目に長い在任期間であるため、皇居に招かれる際にはかなり近い距離でそのお姿を拝することができます。ある時、(上皇)陛下が我々の前に立たれて式が始まろうとしたときに地震がありました。窓もガタガタと音をたてたのですが、陛下はまるで、大きな災害にはならないことがおわかりであるかのように、穏やかに立たれたままでした。このことで出席者はどれほど安心を得られたことでしょう。

 

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]

・[明治の気概]佐久間勉 岡田幹彦(日本政策研究センター主任研究員)
・[明治の気概]佐久間勉 岡田幹彦(日本政策研究センター主任研究員)

出典:『佐久間艇長の遺言』 (TBSブリタニア編集部)

 

佐久間勉

公遺言(こうゆいごん)

謹ンデ

陛下二白(もう)ス

我(わが)部下ノ遺族ヲシテ窮(きゅう)スルモノ無カラシメ給(たま)ハラン事ヲ

我ガ念頭(ねんとう)ニ懸(かか)ルモノ之(こ)レアルノミ

 

 この不慮の事故において佐久間艇長は苦しい息の中で遺書を認(したた)めた。沈没の原因、その後の処置を記し、潜水艇を沈め部下を死に至らしめた自己の罪を深く謝し、部下が最後まで沈着かつ忠実に職務を全うしたことを伝えるとともに、この事故により将来、潜水艇の発展が遅れることがないよう訴えた。こうして最後に「公遺言」を記した。

 

 

※記事抜粋です。『代々木』をお読みになりたい方は、[崇敬会にご入会下さい]