■ 4月11日に昭憲皇太后百十年祭が行われました

■ 4月11日に昭憲皇太后百十年祭が行われました

 

4月11日午前10時より昭憲皇太后百十年祭が行われました。 

昭憲皇太后は皇后として明治天皇を内よりお支えになり、国母陛下と慕われました。ご在世中、女子教育の普及や日本赤十字社の設立など社会福祉事業に尽力され、大正3年4月11日に崩御されました。

祭典では昭憲皇太后が詠まれた御歌(みうた)からつくられた神楽「呉竹の舞(くれたけのまい)」が奉奏されました。

 

なお、10日午後3時からは「前日の儀」が行われました。11日午後3時からの「夕御饌(ゆうみけ)の儀」では宮中に伝わる「東游(あずまあそび)」が奉納されました。

 

この日にあわせ、「昭憲皇太后基金」が世界各国の赤十字・赤新月社への配分先が発表されます。

同基金は、昭憲皇太后の慈しみの御心によって平時の救護事業のために創設されたもので、世界最古の国際人道基金(※1)です。

103回目となる今回は、17カ国の赤十字・赤新月社に対して総額8,145万円相当(485,597スイスフラン)が配分されます。

同基金の配分額は1921年(大正10年)の第1回から今回(第103回)までで、累計27億円相当(16,425,132スイスフラン※2)に換算され、配分先は172の国と地域にのぼります。

 

 

昭憲皇太后基金とは

 

 

配分は次の通りです。

 

1. アフリカ地域

(1) レソト赤十字社:約 502 万円(29,942 スイスフラン)

気候変動に対する早期警報システムの活用

緊急センターに接続されたモバイル型の早期警報システムを通じて、多くの国民に効率的

に情報を届けます。

 

(2) モーリタニア赤新月社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

食料危機・栄養失調を予防するためのコミュニティ強化

国の早期警報システムとあわせて、モーリタニア国内の農牧生活地域における食料危機・

栄養失調への備えと対応能力を強化します。

 

(3) マリ赤十字社:約 491 万円(29,298 スイスフラン)

青少年を対象とした救急法の実施

グループごとに取り組み具合を比較するなど革新的なメソッドを用いて、救急法に関する

意識を高め、青少年に対するトレーニングを実施します。

 

(4) ルワンダ赤十字社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

学校のクラブ活動における救急法技術の向上

学校のクラブ活動やボランティアを対象とし、救急法の知識があっても緊急対応の備えが

できていないというギャップを埋めるべく技術向上に取り組みます。

 

(5) 南アフリカ赤十字社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

防火対策に関するヨハネスブルクとナイロビの協働

ケニア赤十字社と協働しながら、いわゆるスラム街が火災にさらされるリスクを最小限に

抑えるために煙感知器の設置などを行います。

 

(6) ナイジェリア赤十字社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

青少年とボランティアによる気候変動対策

地域社会の意識を高めるために青少年主導の気候変動対策に注力します。

 

2. アメリカ地域

(1) ボリビア赤十字社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

コミュニティ支援を通じた青少年のリーダーシップ強化

青少年がボランティアの 75%を占める同社において将来のリーダーを育成すべく、連盟の

トレーニングプログラムを通じて、青少年のリーダーシップと参画を促進します。

 

(2) チリ赤十字社:約 500 万円(29,800 スイスフラン)

青少年への性と生殖に関する教育と啓発

若者を対象に教育と啓発に焦点を当てたプロジェクトを実施し、性感染症や望まない妊娠

の件数を減らすことを目指します。

 

(3) コロンビア赤十字社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

包括的医療サービスの実施強化

十分な医療サービスを受けられない家族を対象に、年間を通じてより迅速で安価な医療保

険を提供します。

 

3. アジア太平洋地域

(1) パプアニューギニア赤十字社:約 406 万円(24,222 スイスフラン)

青少年緊急チーム設立を通じた青少年エンパワーメント

青少年緊急チームを設立することで、社会から取り残された脆弱なコミュニティ出身の青

少年を支援します。重要な生活スキルを身につけることで健康と安全を促進するほか、緊

急事態に対処し、地域社会の発展と災害への備えを主導できるようにします。

 

(2) バヌアツ赤十字社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

緊急時における性暴力への対策強化

コミュニティ・レベルの災害訓練、ツール、枠組みに性暴力への配慮を組み込み、緊急時

における性暴力への取り組みを強化します。

 

4. ヨーロッパおよび中央アジア地域

(1) キルギス赤新月社:約 284 万円(16,950 スイスフラン)

赤十字ボランティアのスキルアップのための研修スタジオの創設

ボランティアがプログラミング、ウェブ開発、ビデオ、ポッドキャスティングの IT スキル

に関する開発訓練を受けるスタジオを作り、ボランティアのスキルアップやモチベ-ショ

ン強化に繋げます。

 

(2) リトアニア赤十字社:約 449 万円(26,762 スイスフラン)

青少年の実践的スキルの向上

視覚障害者が必要としている教育機会へのアクセスを向上させ、すべての人の自立と平等

を促進するために、点字のボードゲームを活用して、緊急対応や救急法などの実用的かつ

生活に密着したスキルを学びます。

 

(3) マルタ赤十字社:約 481 万円(28,650 スイスフラン)

青少年への水上活動に関する研修の実施

水難救助、応急手当、健康と安全など幅広い教育活動を通じて、青少年が水上レクリエー

ションを担えるよう研修します。

 

(4) モンテネグロ赤十字社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

地域に根差した献血コミュニティの構築

青少年の参画、献血者の認知、地域に根ざしたイベントに焦点を当て、強靭かつ協力的な

献血コミュニティの構築に取り組みます。

 

5. 中東・北アフリカ地域

(1) アルジェリア赤新月社:約 503 万円(30,000 スイスフラン)

最新コミュニケーションツールの活用研修

ボランティアに関する重要な情報収集に加え、ボランティアの募集ツールとして設計され

たオンラインプラットフォームとアプリケーションを開発します。

 

(2) レバノン赤十字社:約 503 万円(29,973 スイスフラン)

国際人道法ユースアクションキャンペーンの実施

周辺国で繰り返される国際人道法違反に対する若者への影響に対処すべく、バーチャルリ

アリティ(VR)などのツールを用いて国際人道法への理解を深め、青少年の意識を高めま

す。

 

 

※1  昭憲皇太后基金は平時の国際支援を目的とした世界初の国際人道基金であり、現在も当時と同様の形

で支援が継続している最古のものである(日本赤十字社調べ) 

※2  1スイスフラン=167.74 円(令和6年4月2日レート)