明治神宮ミュージアムは、重要文化財として現存する明治神宮宝物殿に納められていた御祭神ゆかりの品々を末永く後世へ伝えてゆくという思いを、最新の設備をもって継承するために建設されました。ここに収蔵の品々は明治天皇・昭憲皇太后の実際に御使用になった御物や、明治天皇が御在位中に制作活動を奨励した画家や工芸家の美術工芸品など多岐にわたっています。

昭憲皇太后御尊影 明治天皇御尊影

明治天皇御尊影(右)

昭憲皇太后御尊影(左)

イタリア・ジェノヴァ近郊に生まれたエドアルド・キヨッソーネが描いた御尊影。キヨッソーネは、明治8年(1875)に日本政府の招きにより大蔵省紙幣寮に彫刻師として採用され、皇族や高官の肖像画も描くことになり、その写実的で威厳と品格をそなえた作風は大変好評を博した。

六頭曳儀装車

金色の鳳凰の彫刻を頂く馬車は英国製の国儀車で、明治22年(1889)2月11日の憲法発布日に、青山練兵場(現在の神宮外苑)における観兵式に明治天皇・昭憲皇太后が行幸啓の折、御乗車になったものである。

六頭曳儀装車

御常用御机

御常用御机

明治天皇がお使いになられた重厚な作りの御机である。机の上に敷かれた緋毛氈には、この机をお使いになられた跡であろうか、かすかな色の斑が今も遺っている。

御鉛筆

この鉛筆は明治天皇がご在世中に使用されたものであり、先端は天皇自ら削られた状態のままである。
短くなるまで使用された鉛筆は、天皇の質素倹約を旨とした御人柄をあらわす一品である。

御鉛筆

御文鎮

御文鎮

御机の上に置かれていたと考えられる品の一つ。桜花管弦模様の精緻な彫刻が施されている。